日龍峯寺
関市にある寺院です。地元の方からは高澤観音とも呼ばれており、岐阜県下においては最古の寺です。本堂前方が舞台造りとされ、あの京都の清水寺に似てることから美濃清水とも呼ばれています。
アクセス
駐車地住所:〒501-3521 岐阜県関市下之保(高澤観音駐車場)
お寺がかなり山奥にあり道も狭いので注意してください。第一駐車場は十数台は停めれてトイレもあるので安心です。第一駐車場の真下に広々とした第二駐車場もあります。初詣の時期なんかはこちらも利用されるほど混雑することでしょう。
道のりポイント
第一駐車場に高澤観音と書かれた碑があって、それが参道の入り口になります。ここからぐるっと回って大体30分くらいの道のりです。そこから道なりに上へと登っていくと鐘楼が見えてきます。参道は木々に覆われていき、静かで穏やかな空間に包まれます。
鐘楼があるところの進行方向とは逆方向のところにちょっとした広場があります。奥には東屋があったりお子さんが遊べる遊具があったり。そしてそこから見える景色は、ここが山奥にあるということがよく分かるいい眺めになっています。
改めて鐘楼を見てみるとその重厚感に圧倒されます。この舞台に登って鐘をつくということで、更に身が引き締まる思いになりそうです。建物は昭和十一年に再建立されたそうで、年末年始は多くの参拝者がここで鐘を鳴らすとのこと。
鐘楼を後にして本堂へ向かう道の途中にも、いくつか立派な建物があります。石の階段の上には薬師堂であったり、その先には舞台のような造りで美しく構える金比羅堂など。これらは江戸時代に建立したものだそうです。
金比羅堂の隣にあるのが国指定重要文化財に選ばれている多宝塔です。こちらは先ほどより更に遡って鎌倉時代、時の尼将軍北条政子が関わって建立されてからなんと、約800年に渡りその姿を遺しているとのこと。時代を越えるとはまさにこのこと。圧巻です。
さあ多宝塔を後にしていよいよ本堂かと思いきや、その本堂を覆い隠すかのようにそそり立っているのが千本桧です。関市の指定天然記念物に選ばれているこの木は、根本から無数の枝葉が広がっていることからこの名がついたとのこと。自然の神秘ですね。
そしてその千本桧の後でどっしり構えているのが、この日龍峯寺の本堂です。こちらも時は鎌倉時代、北条政子が寄進して建てられたのですが応仁の乱によって一度焼失。今の本堂は江戸時代に再建。その魅力は後述します。
本堂を後にして下っていくと、森林と共存する穏やかな空間が心地よくて、名残惜しくて何度も振り返ってしまいます。途中には真上を葉っぱのカーテンにした道もあってとっても癒されます。こちらから本堂に向かうのもまた趣が変わることでしょう。
緑のカーテンの先にあったのが仁王門です。ある看板には美濃高野山とも称されており、美濃西国三十三観音の一番地に選ばれるともあって、まさに霊場巡りの玄関と呼べるほどの厳かな雰囲気を感じさせてくれます。現世と隔ったまさに神域、ぜひ身を委ねに来てみては。
イチオシポイント
お寺の左側の階段から登ってきた時に見える千本桧がとっても綺麗に見えます。本堂正面の椅子に座ってみた時もそうです。遠くまで眺められるというわけではありませんが、観音様のように山奥から遠くを見据えるという、普段味わえない趣に感慨深くなります。
遠くから見て綺麗なのはもちろんですが、この舞台を支える柱とその組み方を間近で見ても感動するものがあります。規則正しく美しく、それが何百年をも年月を越える木造建築の真髄です。自然の神秘を体現するにふさわしい、偉大な先人からの賜物です。
この仁王門は江戸時代に建立されてその姿をとどめており、中には江戸様式の金剛力士が安置されています。眼光鋭く見るものを圧倒すれば、片方の金剛力士はなんと隻眼。そりゃあ何百年とここを守り続けていればと感嘆します。ぜひこちらから本堂にも向かってみてください。